浮草の観察日記(中欧〜日本〜米国)

中欧出身の夫が故郷で働いて日本で働いて、次はアメリカだと言って家族でやって来ました。私は日本では日本語教師をしていましたが、新しい土地でゼロからスタート。その記録です。

「水さえ」か、「水こそ」か

数か月間悩まされていることがありました。

それは乾燥です。

体中かゆくてしかたないほどの乾燥です。

息子につけるベビークリームやワセリンを塗っても変わらず。加湿器をつけても変わらず。

最近までそんないくつかの試行錯誤を経て、もしやとたどり着いたのが水でした。

そして、それでほぼ解決しました。

こちらは硬水の地域です。

硬水のお風呂で肌がガビガビになっているのかもしれないと考え、スーパーで売っている蒸留水を使ってみたのです。

お風呂の最後に、蒸留水をたぷたぷに含ませたガーゼで乾燥しやすいところを拭くという方法です。

蒸留水のお風呂に浸かれば一気に解決なのかもしれませんが、そんなお金のかかることはできません。

その後これまでどおりベビークリームを塗って、これで調子のいい日が続いています。

ところでこの蒸留水、「お金のかかる」と書きましたが、お風呂用に使うほどでなければ安価で手に入ります。

スーパーに行くと、ミネラルウォーターと同じぐらいずらっと並んでいます。

もともと蒸留水との出会いは、このミネラルウォーターと間違えて買ってきてしまったのがきっかけです。

写真のように2ガロン(約7.57リットル)で同じ形のボトルで売られています。これはスーパーmeijerのもの。

左が蒸留水(distilled water)、右がミネラルウォーターです。わかりにくい。

どちらも2ドルちょっと。

 
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水に振り回された数か月、今さらですが水ってやっぱり大事。

それで思い出すのが、昔日本語学校のクラスで受けた質問。

日本語能力試験旧2級の文法を教えるクラスで、「〜さえ〜ば」という表現が出てきました。

教科書にあったのは、たしか「水さえあれば1週間ぐらい生きられる」という例文でした。
簡単な説明を加えたら学生たちはすぐ納得。

さて、ちょっと例文をみんなで作って次に進もうかと思ったところ、一番後ろの席の学生が手を上げて「これはおかしいです」と。

水は生物が生きるために最も必要なものでしょう。だから、水を一番小さいもの(最低限のという意味で)というのはおかしいです。

一番大事なんだから、「水さえ」ではなくて、「水こそ」でしょう。

とのこと。

水の大切さに注目してしまった彼には、他の例文で「〜さえ〜ば」を説明してももう譲ってくれず、こちらもお手上げ。

最後は「まあまあ、先生、いいです」というところで終わったような記憶があります。

 

聞く人にはさまざまなバックグラウンドがあるので、これで伝わるだろうと簡単に思うのはよくないですね。特に文化の差が大きい人たちの中にいるときには。

今回の乾燥肌問題では、水こそが鍵であることを実感いたしましたよ、ね、一番後ろにいた学生くん。