「水さえ」か、「水こそ」か
数か月間悩まされていることがありました。
それは乾燥です。
体中かゆくてしかたないほどの乾燥です。
息子につけるベビークリームやワセリンを塗っても変わらず。加湿器をつけても変わらず。
最近までそんないくつかの試行錯誤を経て、もしやとたどり着いたのが水でした。
そして、それでほぼ解決しました。
こちらは硬水の地域です。
硬水のお風呂で肌がガビガビになっているのかもしれないと考え、スーパーで売っている蒸留水を使ってみたのです。
お風呂の最後に、蒸留水をたぷたぷに含ませたガーゼで乾燥しやすいところを拭くという方法です。
蒸留水のお風呂に浸かれば一気に解決なのかもしれませんが、そんなお金のかかることはできません。
その後これまでどおりベビークリームを塗って、これで調子のいい日が続いています。
ところでこの蒸留水、「お金のかかる」と書きましたが、お風呂用に使うほどでなければ安価で手に入ります。
スーパーに行くと、ミネラルウォーターと同じぐらいずらっと並んでいます。
もともと蒸留水との出会いは、このミネラルウォーターと間違えて買ってきてしまったのがきっかけです。
写真のように2ガロン(約7.57リットル)で同じ形のボトルで売られています。これはスーパーmeijerのもの。
左が蒸留水(distilled water)、右がミネラルウォーターです。わかりにくい。
どちらも2ドルちょっと。
水に振り回された数か月、今さらですが水ってやっぱり大事。
それで思い出すのが、昔日本語学校のクラスで受けた質問。
日本語能力試験旧2級の文法を教えるクラスで、「〜さえ〜ば」という表現が出てきました。
教科書にあったのは、たしか「水さえあれば1週間ぐらい生きられる」という例文でした。
簡単な説明を加えたら学生たちはすぐ納得。
さて、ちょっと例文をみんなで作って次に進もうかと思ったところ、一番後ろの席の学生が手を上げて「これはおかしいです」と。
水は生物が生きるために最も必要なものでしょう。だから、水を一番小さいもの(最低限のという意味で)というのはおかしいです。
一番大事なんだから、「水さえ」ではなくて、「水こそ」でしょう。
とのこと。
水の大切さに注目してしまった彼には、他の例文で「〜さえ〜ば」を説明してももう譲ってくれず、こちらもお手上げ。
最後は「まあまあ、先生、いいです」というところで終わったような記憶があります。
聞く人にはさまざまなバックグラウンドがあるので、これで伝わるだろうと簡単に思うのはよくないですね。特に文化の差が大きい人たちの中にいるときには。
今回の乾燥肌問題では、水こそが鍵であることを実感いたしましたよ、ね、一番後ろにいた学生くん。